膝の痛み「 膝蓋靭帯炎 (ジャンパー膝)」
膝が痛くてバスケットができない......15歳(中学校3年生)男性の場合

ジャンプや急な動きが多いスポーツ選手に多く見られる「ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)」。その原因はジ膝の使いすぎや筋肉の硬さ、骨盤の歪みなどが複雑に関係しています。
この記事では、実際の症例をもとに、膝を曲げると痛い・ジャンプで悪化するといった症状の改善法と、再発を防ぐポイントを解説します。
「ジャンパー膝」で悩む10代アスリート必見!膝の痛みの原因と改善法を解説
「ジャンパー膝」として知られる「膝蓋靭帯炎(しつがいじんたいえん)」は、膝に繰り返しかかる負担が原因で起こる疾患です。ジャンプ動作や膝関節の屈伸が多いスポーツに関わる人々に見られます。
膝の屈伸運動の際に、膝のお皿である膝蓋骨とその下の脛骨(すね)をつなぐ靭帯が繰り返し擦れることで炎症を引き起こします。ジャンプや膝を曲げたり伸ばしたりする動作が続くと、膝への負担が増え、症状が進行するのです。
特に10代から20代の若者に多く見られ、バスケットボールやバレーボールなどのジャンプを頻繁に行うスポーツ、またサッカーでシュートや急停止・急発進を繰り返す選手に発症しやすい傾向があります。
ジャンパー膝の症状
ジャンパー膝の代表的な症状は、膝の前面、特に膝蓋骨の下部に痛みやコブが現れることです。
この痛みは、ジャンプの着地時や階段の昇り降りなど、膝を使う動作で強くなります。また、炎症が進むと膝の腫れや熱感を伴う場合もあります。
初期段階では運動後にだけ痛みを感じることが多いですが、進行すると運動中や日常動作の中でも痛みが現れるようになります。
例えば、しゃがむ動作や膝を深く曲げる動きでも痛みが悪化し、違和感が続くことがあります。
ジャンパー膝の原因
ジャンパー膝の発症にはいくつかの要因が関わっていますが、主な原因は膝蓋靭帯への過剰な負荷です。
特にバスケットボールやバレーボール、サッカーのようにジャンプや急な動きを伴うスポーツでは、膝にかかる負担が大きくなります。これにより靭帯が繰り返し引っ張られ、炎症が引き起こされるのです。
さらに、太もも(大腿四頭筋)やふくらはぎ(腓腹筋)が硬い場合、膝へのストレスが増加します。柔軟性が不足していると、ジャンプや着地の衝撃を吸収しきれず、靭帯にかかる負担がさらに大きくなります。
また、短期間で練習量や運動の強度を急激に増やした場合にも、膝蓋靭帯(しつがいじんたい)が耐えられずに炎症を起こしやすくなります。
膝が痛くてバスケットができない……15歳(中学校3年生)男性の場合
バスケットボールが大好きな中学3年生の15歳の男の子が来院しました。
スラリとした長身の彼は、「走っていると右膝が痛いんです。特にリバウンドして着地するときが一番痛くて……」と訴えていました。そしてついに、歩いているだけでも膝が痛くなり、県大会を1週間後に控えてなんとか早く治したいとのことでした。
膝の状態を詳しくチェック!
まず、痛みのない左膝と痛む右膝の両方を触診しましたが、腫れや熱感は特にありませんでした。しかし、膝周りの筋肉を触ると右側が驚くほど硬くなっていました。
特に大腿四頭筋(太ももの筋肉)は、ゴムボールのように柔らかい状態が理想なのに、まるで鉄の塊のように張り詰めています。また、ベッドでうつ伏せになってもらい、左右の足の長さを確認したところ、右足が2cm短いことがわかりました。これは骨盤の高さが左右で異なる「脚長差」が原因です。
この患者様のジャンパー膝の原因は、身体のねじれと骨盤の高さの違いにあるのでした。身体がねじれることで、骨盤がゆがむ。そして右下肢に負担がかかり、太ももの筋肉が異常緊張する。
それによって筋肉が柔軟性を失い、ジャンプの着地時によけいな衝撃がかかる。その負担がダイレクトに各関節にのしかかり、右膝関節と腰部にダメージを与え、炎症が起きる結果となっていたのでした。
「朝起きたとき腰が痛くない?」と聞くと、「筋肉痛だからしょうがない」と答えましたが、それは間違い! 健康体であれば朝起きて痛みを感じることはありません。これらの要因が重なり、ジャンパー膝が発症していたのです。
数日で膝の痛みが6割減った
患者さんが1週間後の大会に間に合わせたいとのことだったので、短期間での改善を目指して施術計画を立ててを進めました。
まず、右膝への負担を軽減するために、骨盤の高さを整える骨盤矯正を実施。矯正後、鏡の前で骨盤が平行になり、左右の足の長さもそろったことを確認してもらいました。「腰が軽くなって、もっとジャンプできそう!」と本人も驚いていました。
初日の施術では、骨盤矯正のほか、大腿四頭筋の硬さを解消するための柔整マッサージも行いました。さらに、炎症が強かった右膝を固定するために、膝から太ももにかけてテーピングと包帯でしっかりと固定しました。
その後、1週間毎日通院してもらい、腰から太ももの筋肉をほぐすマッサージと骨盤矯正を繰り返し行いました。3回目の施術の時点で、「練習中の腰の違和感やジャンプ後の右膝の痛みが、最初に比べて6割くらい減りました」との報告がありました。
膝が痛み出す前よりバスケットがしやすくなった
最終日はマッサージと、さらに動きやすくなるようにプロアスリートも使用するハイボルテージ治療をおこない、筋肉の柔軟性を最大限まで高めました。この治療により、右膝への負担がさらに軽減されました。
そして、県大会では痛みなくプレーすることができたそうで、「ありがとうございました!」と笑顔で報告を受けました。
その後も、痛みの再発を防ぐため、週3回通院してもらい、骨盤の矯正や筋肉のケアを続けました。
週に1回は骨盤矯正をして、骨盤の傾きを正しくし、身体の重心バランスを整え、痛みが出る前以上にバスケットボールがしやすくなったそうです。
「メッチャ動ける!先生、天才!」という言葉を聞いて、私も本当に嬉しくなりました。
3週間後、今後も膝や腰に痛みが出たり、足の長さが左右で2cmくらい違ってきたら、早めに施術を受けにきたほうがよいと伝えて、施術がおしまいとなりました。「膝が痛い!」というバスケ選手はぜひ当院に!
膝の痛みを繰り返さないために
膝蓋靭帯炎、いわゆるジャンパー膝は、「膝の使いすぎ(OverUse)」が主な原因です。
特にバスケットボールやバレーボールのような、ジャンプやストップ動作が多いスポーツでは、日々の練習メニューが知らず知らずのうちに膝に負担をかけていることがあります。
そのため、膝への痛みや負担を軽減するには、練習前後のストレッチや身体のコンディショニングがとても大切です。痛みを我慢して続けるのではなく、身体を整えることがパフォーマンス向上にもつながります。
インナーマッスルが膝の負担を減らす鍵
10代の学生アスリートに多く見られるのが、「筋肉を鍛える=マシントレーニング=パワーアップ」という思い込み。しかし、それだけではアウターマッスルばかりを酷使してしまい、膝を痛める原因になります。
実は、「スポーツ動作で本当に重要なのはインナーマッスル(コアマッスル)。これは身体の深部にある筋肉で、姿勢を保ち、動きを安定させ、膝などの関節への負担を軽減する働きがあります。
インナーマッスルが膝の負担を減らす鍵
今回の患者さんも、右腰部のインナーマッスルが硬く緊張していたことが、膝の痛みの原因となっていました。柔軟性のない筋肉は、動作時に負担を逃がせず、膝に直接ストレスがかかってしまいます。
つまり、硬くなった筋肉を放置しておくと、膝を曲げるたびに痛みが出るような悪循環に陥ってしまうのです。
正しいストレッチでしなやかな身体づくりを
痛みを繰り返さないためには、まずインナーマッスルを柔軟に保ち、しなやかな筋肉を作ることが大切です。そのために、正しいストレッチの方法を身につけていきましょう。
「自分の膝の痛みもジャンパー膝かもしれない」「どんなストレッチをしたらいいか分からない」という方は、ぜひご相談ください!
私自身もバスケが大好きなので、膝の痛みでプレーを諦めかけている選手の気持ちは痛いほど分かります。だからこそ、一緒に身体を整えて、また思い切りプレーできるようにサポートしたいと考えています。
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