股関節の痛みや「抜ける」感覚の原因とストレッチでの予防法
テニスをしていて股関節に抜ける感じが… 50代男性の場合

股関節に「外れる」「抜ける」「力が入らない」といった違和感や、慢性的な股関節痛を感じる方は少なくありません。
特にスポーツをしている方や日常生活でよく歩く方に多く見られます。これらの症状は一時的な疲労だけでなく、股関節症 や 変形性関節症 といった疾患に進行するサインであることもあります。
原因のひとつとして注目されるのが、身体の奥深くにある 腸腰筋(ちょうようきん) です。股関節にかかる負担を軽減し、健康的な日常生活を送るためには、腸腰筋を中心としたインナーマッスルのケアとストレッチが欠かせません。
腸腰筋とは?
腸腰筋は、大腰筋 と 腸骨筋 という2つの筋肉から構成されています。
- 大腰筋:背骨と大腿骨(太ももの骨)を結び、体幹と下肢をつなぐ大切な筋肉。
- 腸骨筋:骨盤の内側から大腿骨に付着し、股関節を安定させる役割を持つ。
この腸腰筋は、股関節の曲げ伸ばしや歩行、階段の昇り降りなど、日常のあらゆる動作に関与しています。
しかし、腸腰筋が硬くなったり、柔軟性を失ったりすると、股関節の動きがスムーズにいかなくなり、股関節痛 や「抜ける」「外れる」といった症状を感じやすくなります。
放っておくと、股関節のクッションや安定性を保つ「軟骨の縁(股関節唇 こかんせつしん)」が傷ついたり、炎症を起こしたりすることがあります。その結果、関節全体に負担がかかり、股関節の受け皿である臼蓋(きゅうがい)や軟骨がすり減って、変形性股関節症へ進行する可能性も出てきます。
重度の場合、整形外科での診断に基づきPRP療法や手術、さらには人工関節の適応となるケースもあるため、早期ケアがとても重要です。
症例紹介:テニス中に股関節が「抜ける」感覚を覚えた50代男性
ある50代男性は、テニスをしていて、3週間前から1時間くらいプレイすると左股関節に「抜ける感じ」が生じるようになったそうです。最初はそのまま加減をしながらプレイを続けていましたが、最近では「抜ける感覚」が歩行時にも現れ、さらに痛みまで感じるようになりました。
整形外科でのレントゲン診断では骨に大きな異常は見られませんでしたが、当院での触診・視診により、骨盤が後傾し、左右の腸腰筋に強い緊張があることが判明しました。これが股関節の不安定さや痛みの主な原因でした。
腸腰筋(ちょうようきん)の過緊張を緩め歩行時の股関節の痛みを緩和
この患者様にはまず、腸腰筋(ちょうようきん)の過緊張を緩めることが最優先であるため、後倒した骨盤を立てるために骨格調整を施し、歩行時の痛みを緩和させるハイボルト療法を併用する方法を提案しました。
初回の施術後、すぐに「腰がもの凄く軽くなった。腰も悪かったんだ!?」と喜ばれていました。
その後の治療計画は、患者様から「はやく治したい」という要望があったので、毎日通院してもらい、初診から2週間後にはテニス中の痛みが減少。初診から10週間後には、左股関節の抜ける感じも完全に消失し治癒に至りました。
股関節痛を予防するための日常生活での工夫
インナーマッスルを含めたクールダウンを意識することが重要です。
運動後にストレッチを怠ると、筋肉に乳酸が溜まりやすく、軟骨や関節に負担をかけ、炎症を起こすリスクが高まります。やがて変形や疾患につながり、整形外科での治療や診断が必要になる場合もあります。
自宅でできる股関節のトレーニング・ストレッチ運動に
寝ながらできる股関節トレーニング①
仰向けに寝て、両膝を胸に引き寄せるトレーニングです。膝をゆっくりと胸に向かって引き寄せ、20~30秒間そのまま保持し、3セット行います。
お腹の筋肉を使うイメージでゆっくり引き寄せ、ゆっくり戻すことがポイントです。この運動は股関節だけでなく、お腹回りの筋肉を引き締める効果があります。

寝ながらできる股関節ストレッチ②
仰向けに寝て、膝を立て、お尻が床から離れないように、左右の太ももを合わせたまま膝をゆっくりと左・右と交互に腰を捻転するストレッチです。右に10秒→左に10秒を1セットとし、これを3セット行います。股関節の可動域を広げ、お腹のインナーマッスルの柔軟性を高めることができます。

日々のセルフケアで股関節痛を予防しましょう!
股関節痛や「抜ける」ような感覚は、軽視せずに早めにケアすることがとても大切です。特に、腸腰筋を中心とした股関節周囲の筋肉のストレッチや骨盤の安定化は、日常生活の中で無理なく取り入れられる予防法です。
また、症状が強くなってからでは、整形外科でのPRP療法や人工関節手術といった大がかりな治療が必要になる場合もあります。そうならないためにも、日々のストレッチを続けること、そして少しでも違和感を覚えたら今回の症例のように、早めにゆ〜かり整骨院、天王町接骨院にご相談ください。
正しいセルフケアと専門的なサポートを組み合わせることで、股関節の健康を守り、100歳までスキップできる身体を目指しましょう。
股関節痛とストレッチに関するFAQ
Q.股関節痛の主な原因は何ですか?
A. 股関節痛の原因には、腸腰筋やお尻の筋肉の緊張、骨盤の歪み、関節唇や軟骨の炎症、加齢による変形性股関節症 などがあります。スポーツや日常生活での負担も大きな要因です。
Q.「抜ける」ような感覚がするのはなぜですか?
A. 腸腰筋の柔軟性低下や骨盤の後傾によって股関節が不安定になり、「抜ける」「外れる」感覚が起こることがあります。早めのケアで進行を防げます。
Q.股関節痛があるときにストレッチをしても大丈夫ですか?
A. 軽度の股関節痛であれば、無理のない範囲でストレッチを行うと症状の改善に効果的です。ただし、強い痛みや炎症がある場合は整形外科や整骨院で診断を受けてから行いましょう。
Q.どんなストレッチが股関節痛の予防に効果的ですか?
A. 仰向けで膝を抱えるストレッチや、膝を左右に倒す捻転ストレッチがおすすめです。腸腰筋や骨盤周囲をやさしく伸ばすことで、股関節への負担が減ります。
Q.股関節痛が長引いたら、整形外科に行った方がいいですか?
A. はい。痛みが2週間以上続いたり、歩行に支障が出る場合は、整形外科でレントゲンやMRIによる診断を受けることをおすすめします。
Q.変形性股関節症との違いは何ですか?
A. 一時的な筋肉の緊張による股関節痛と違い、変形性股関節症 は軟骨や大腿骨頭が変形し、慢性的な痛みや可動域制限を伴う病気です。進行すると人工関節手術が必要になる場合もあります。
Q..手術以外での治療法はありますか?
A. はい。骨盤矯正や筋肉調整、ハイボル療法、PRP療法などの保存療法があります。症状に応じて整骨院と整形外科を併用するのも効果的です。
Q.運動をしても股関節に負担はかかりませんか?
A. 適度な運動はむしろ股関節に良い影響を与えます。ただし、運動後にストレッチをしないと筋肉が硬くなり、股関節に大きな負担を与えるため注意が必要です。
Q.自宅でのセルフケアだけで治せますか?
A. 軽度の股関節痛であれば、毎日のストレッチや姿勢改善で改善することもあります。しかし、強い痛みや症状の悪化がある場合は専門的な治療を受けることが大切です。
Q.股関節痛を予防するために日常生活で注意すべきことは?
A. 長時間の座り姿勢を避ける、適度に歩く、体重を適正に保つことが重要です。さらに、股関節周囲の筋肉を鍛えるトレーニングとストレッチ を習慣化すると予防につながります。
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